明王とは

仏像の種類

明王とは

入れ墨にも選ばれる、めっちゃ怖い顔の大日如来の使者

明王とは、密教における最高の仏である「大日如来」の命を受けて仏教の教えに従わない者たちを忿怒の形相で教化する仏です。
大日如来そのものが変化した仏とも伝えられています。

明=明呪→密教が説く真理を凝縮した呪文的な言葉のこと
明王=教えの真理に従って悪を打ち砕く王、あるいは使者

密教とは秘密仏教の略で大乗仏教が発展するなか、古代インドで信仰されたさまざまな神々や祈祷、まじないなどの儀式が取り込まれ
十一面観音などの変化観音や、明王などの尊格が生み出されたと考えられています。

忿怒の形相

孔雀明王以外は眼をカッと見開き、牙をむいた忿怒相で表される事が多い。

不動明王の忿怒相
①目(二眼):天地眼…左目で地を見て(または閉じる)右目で天を見る
口:牙上下出…への字に結んだ唇の一端から上向きの他端から下向きの牙をだす形

②目:両目を大きく見開く
口:上歯で下唇を噛んで両端から下向きの牙をだす

ちなみに目の数は下記の明王以外は、額に一眼あって三眼であることが多い
不動明王→二眼
金剛夜叉明王→五眼
孔雀明王→忿怒相ではなく菩薩相で二眼

明王のファッション

服装→裙の上を腰布で縛り、条帛でワンショルダーにしがち。
髪型→焔髪、炎髪(えんぱつ)怒髪(どはつ):髪が逆立ち、炎のようになった形で忿怒相を現わすのに用いられます。
アクセサリー→腕釧(わんせん)、臂釧(ひせん)

光背と台座

光背は燃え盛る炎の形を表す火焔光背をつける。

・不動明王の火焔光背は、炎の先端が鳥の頭になっている「迦楼羅焔(かるらえん)」という。
・孔雀明王は台座の孔雀の尾羽が光背の役目
・愛染明王は二重円光の外側をさらに大きな円で囲む独特の光背

台座は、躍動感のある力強いものが多め
・不動明王→坐像は、如来のように瑟瑟座に結跏趺坐し、立像は岩座
・降三世明王→大自在天とその嫁の烏摩妃(うまひ)を踏みつける
・金剛夜叉明王や軍荼利明王→踏み割蓮華座

明王の種類

五大明王
中央 – 不動明王 – 大日如来の教令輪身
東方 – 降三世明王 – 阿閦如来の教令輪身
南方 – 軍荼利明王 – 宝生如来の教令輪身
西方 – 大威徳明王 – 阿弥陀如来の教令輪身
北方 – 金剛夜叉明王(東密系、不空成就如来の教令輪身)または烏枢沙摩明王(台密系)

・愛染明王
・孔雀明王
・大元帥明王
・烏蒭沙摩明王

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